草花の花びら染め
Dyeing with flowers
全116種の花染め日記
当時、染色業界では「花は染まらない」というのが定説で、
花といえばチューリップやバラ、椿などのわずかな情報しかなく、
観賞目的の園芸植物の草花による前例は全くなかった。
当然なことで一般的には、花びらを大量に入手できない。
一部の染色作家を参考に試行錯誤しながら染め、織った。
染織家・中川善子さん
初期の頃
ウールの糸以外にも原毛、木綿、絹、
Tシャツやウエディングドレスも染めたことがある。
つづれ織りでいくつか作品を作ったが
もう手元にはない。
つづれ織りの下絵と選んだ糸
ウールの糸から2人にセーターを編んでもらったことがあるが、それもない。
1人は箕輪直子さんだったかもしれない。
引越を繰り返すうちに、
荷物を少なくしようと写真やネガもどこかで捨てた。
使用した花びらは、生死の境にある花を基本とし、
その最後の命を・色を頂くことに感謝した。
また、多くは無媒染で染色したが、薬品を使用した場合は沢山の水で薄めて処理した。
3種の草花が、
今も鮮やかな橙、黄、紫色を放つ糸がある。
愛おしい思い出の花と人とに、
しばし浸った。
花や実に含まれるアントシアン色素は、煮出すと分解してしまいます。専用の助剤を使用すれば、かわいい赤やピンクを染めることが出来ます。